大阪都構想は残念ながら否決。しかし「自治権拡充」の議論は大きな”レガシー”になる。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
今朝の新聞各紙一面で記事になっていますが、「大阪都構想」に対する二度目の住民投票は、反対が賛成を僅差で上回り否決の結果となりました。以下は確定結果(無効票は除く)です。
賛成:675,829(49.37%)
◎反対:692,996(50.63%)
大阪市を廃止して市内域に4つの区を設置する大阪都構想は実現せず、これまで通りの大阪府・大阪市による行政運営が継続されることになります。大阪都構想の否決を受け、松井一郎大阪市長は、2023年4月の任期満了をもって政界を引退すると表明しました。
日本維新の会と大阪維新の会の代表を務める大阪市の松井市長は、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票で反対多数となったことを受けて、1日夜、記者会見し、令和5年4月までの市長の任期は全うした上で、政界を引退する意向を表明しました。https://t.co/KKSUpc7wCV#nhk_video pic.twitter.com/3muck46RV7
— NHKニュース (@nhk_news) November 1, 2020
こちらは、大阪都構想を推進してきた「大阪維新の会」(松井一郎代表、吉村洋文代表代行)と今回賛成の立場で運動を展開した「公明党」(公明党大阪府本部・佐藤茂樹代表、土岐恭生幹事長)の記者会見。
先日のブログでもご報告しましたが桃野は、大阪都構想が実現することで、大阪がより発展していくと考えていましたし、大阪が東京と並ぶ大きなエンジンとなって日本の成長を支えていくものと考えていました。よって否決はとても残念。こちら参考ブログ↓
【大阪に行ってきました。スーパー特別区誕生なるか。「大阪都構想」の住民投票は来週日曜日(11月1日)です】(2020.10.26 桃野ブログ)
今回、大阪都構想は否決され、松井代表(大阪市長)は政界引退宣言、吉村代表代行(大阪府知事)は「自分が三度目の都構想に挑戦することはない」と述べていますので「都構想の実現」という政策には、ここで一旦終止符を打つことになるのでしょう。
一方で「都構想の実現」という政策は、2015年の住民投票、そして今回の住民投票、そこに至る議論の中で、今の大都市制度の弱点はどこにあるのか。その弱点を解消するために地方行政の仕組みはどうあるべきか、という課題に多くの方が関心を寄せ、考える、という大きな大きな”レガシー”を残したのではないかと思います。
朝日新聞は、大阪都構想否決の記事とともに東京23区、行政区(政令市の内部組織である区)、市町村の制度の違い、東京都と東京の特別区が権限拡大や区域再編をめぐり考えに溝があることなど報じています。
【都と23区、なお課題 東京もかつては「府」と「市」だった―】(2020.11.02 朝日新聞)
桃野が、東京特別区の区議会議員として大阪都構想を見て、住民にとって大きな利点があると感じた一番の点は、大阪特別区の権限、財源を中核市並に充実させ「ニア・イズ・ベター(near is better)」、自治権拡充で住民福祉を向上させるとの考え方でした。これは世田谷区区議会議員として、桃野が羨ましく感じるほど。これが大阪で先ず実現し、成功事例としてその成果が見えてくれば、東京の特別区における自治権拡充の議論も、もっともっと大きなうねりになるはずとも考えていました。
上記の朝日新聞では、こんな記事も。
都との交渉にあたってきた23区の関係者は、かすかな願いを口にする。「大阪都構想の議論を通して、特別区の仕事のあり方を考えてもらい、東京で議論を進めるきっかけになって欲しい」(引用以上)
一方、同日の読売新聞には以下の記事。
【「首都2つに見える」東京都の関係者は安堵、23区権限強化の機運を懸念】(2020.11.02 読売新聞)
大阪都構想では、大阪市が解体された後に誕生する新たな4特別区は中核市並みの権限を持つとされる。東京の23特別区は一般市並みの権限で、ある都幹部は「住民投票で賛成多数となれば、23区で権限の強化を求める機運が高まることを懸念していた」と明かす。(引用以上)
大阪都構想は残念ながら否決されてしまいましたが、桃野は引き続き、東京23区の自治権拡充も目指し、活動を続けて参ります。
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