文科省の調査。いじめ認知件数も「重大事態」の件数も増加。自殺の理由は6割が「不明」の結果。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
昨日(10/22)、文部科学省が「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しました。新聞各紙も概要を報道しています。
いじめ認知、過去最多の61万件 19年度の文科省調査https://t.co/DVyfXzc5SW
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) October 22, 2020
2019年度に全国の小中高校などで認知されたいじめは61万2496件と過去最多を更新。6年連続の増です。内容別(複数回答)では、からかいや悪口などが61.9%で最多。インターネットやSNS(交流サイト)による誹謗・中傷は1万7924件で5年前と比べて2.3倍の増。これまではいじめとして扱われなかった問題もいじめと認知されるようになったという側面もあるのでしょうから、認知件数の増加をそのまま「状態の悪化」とは考えられないような気がします。
一方、非常に気になるのは、命の危険や不登校につながった疑いのある「重大事態」は前年度から121件増の723件との報告。これは「いじめ防止対策推進法」施行後の13年度に集計を始めて以来最多。命の危険にも繋がる事態ということですから、これらは個人情報には配慮しながらも広く事例の概要を公表し、身近なところで同じようなケースが起きている可能性は無いのだろうか、予防するにはどうすれば良いのだろうかと、事例研究の対象にするべきでは無いかと思います。
そして「児童生徒の自殺の状況」という項目を見ると、平成30年332人よりは減少したものの令和元年度は317人と2年連続で300人を超えています。自殺の理由は「家庭不和」「進路問題」などもありますがダントツは「不明」というもの。確かに理由は複合的という事例が多いのでしょうし、必ずしもその理由がはっきりしないということもあるのだと思います。しかし、その6割の理由が不明というのは、こうした問題の難しさを感じざるを得ません。
【令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について】(文部科学省のサイトより)
世田谷区では、子どもの人権擁護機関「せたホッと」で、子どもにまつわる様々な問題を受け付けています。
・友達とうまくいかない
・仲間外れにされた
・学校に行きたいない
・先生からひどい事を言われた。先生に叩かれた。
・親とうまくいかない
などなど。
悩みのある方は、どんなことでもご相談ください。もちろん秘密は守られます。
コメントを残す