2023年度までに小中学校の全学年で「パソコン一人一台」が政府の方針。でもモノを配るだけではうまくいかないと思う。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
区民の皆さん始め、様々な方からのご意見は政策づくりの源。
その一環として、どなた様でも参加大歓迎「桃野芳文タウンミーティング」を定期的に開催してまして、そこでもこれまで「ICT教育」に関するご意見を頂いてきました。
例えば、日本の学校は、先進国の中でもIT活用が遅れている、世田谷区立小中学校で、児童生徒にパソコンを利用させ、授業を行うべきとのご意見。
現在、世田谷区立の小中学校でもパソコン、タブレットを活用した授業は行っていますが、実際には、児童生徒側から見て「時々使うことがある」というレベルに止まっています。
教える側から見れば、黒板を使っての授業ではなく、パソコン等を使っての授業となると、これまでとは違う新たなスキルが要求されます。パソコンを使った授業といっても、これまで大きく進展していないというのが現状でしょう。
さて、そんな中、桃野がここ数日注目しているニュースがこちら。
【PCを「1人に1台」 学校のICT化を加速】(産経新聞)
上記は産経新聞ですが、「パソコンを一人一台」については、新聞各紙が報じています。
・政府は23年度までに小中学校の全学年で一人一台の環境を整える方針。
・国公立の学校に児童・生徒一人あたり45,000円を定額で補助。
・私立は45,000円を上限に半額を補助。
・総事業費は4,000億円超を見込む。
・校内での有線・無線の情報通信網(LAN)の整備を進める。
・児童・生徒1人に1台のPCを配備することで、学習履歴などのデータを利活用、個別に最適で効果的な学びや支援をする。
・経済協力開発機構(OECD)が実施した各国の教育へのICT活用環境調査によると、日本の順位は48カ国・地域中で下から2番目。
桃野は、パソコンやインターネットなどIT技術を活用した授業には大賛成。
もちろん未だ、黒板やノートを使った授業も大事だと思います。自身を省みて思いますが、漢字が書けなくなっていくのも困りますし。
でも、パソコンなどを使っての授業も大いに進めるべきですね。
生徒・児童にとっては、プログラミングの習得、情報収集における利活用など良い面はたくさんありますから。先生にとっても、教材の準備、データ処理など、仕事の効率化に大きなメリットがあるはず。
でもパソコンなどの機材を配ったからといって、それが即ち子ども達にとっての「良い学び」につながるかといえば、そうではないでしょう。
大切なのは、道具を活用する方法。先生が、パソコン等を使っていかに良い授業をするか、データ処理等にいかに上手に活用するかが大事。
こうした観点から、ICT技術を活用できる人材を育てることについても、あわせて施策を導入しなければ「仏つくって魂入れず」になってしまいます。
既に文科省の諮問機関、中央教育審議会(中教審)が方針をまとめたと報道されていますが、小学校においてもプログラミングなどの授業については「教科担任制」をとるというのも、そうした取り組みの一つなのでしょう。
【小学校の教科担任制、22年度から本格導入 中教審方針 】(日経新聞)
学校も時代にあわせて変わなければなりません。そのための努力が必要。
一方で、教えるための道具がパソコンに変わったとしても、教えるべきその中身の本質は大きくは変わらないはずです。
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