がんサバイバーシップ支援。他自治体ではウィッグやシリコンパッドなどの胸部補整具に助成を行っている例もあります。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
本日のブログは、先の区議会一般質問から。
これまで区民の方からもご相談を受けてきた「がん対策」について。
桃野、最近、こんな本も読んでおりました。
乳がんを発症し、手術を経て、治療を続けながら社会人としても活躍し続ける女性のドキュメンタリーです。
【乳がんと生きる ステージ4記者の「現場」 毎日新聞生活報道部 (著)】
以前は「不治の病」「見つかれば余命○ヶ月」のイメージが強かったがんですが、近年は、医療技術の進歩(予防医学も含め)もあって、がんに罹患しても早期発見、早期治療を経て「普通の生活」に戻る方が増えてきました。
治る病気となれば、当然「その後の生活の質」についても焦点が当たります。
例えば「がん対策推進基本計画(第3期)」(平成30年3月閣議決定、厚生労働省)を見ると、そこには「サバイバーシップ支援」の重要性が謳われています。
サバイバーシップ支援とは、がん患者が「がんになったその後を生きていく上で直面する課題」を乗り越えていくための支援のこと。本計画では「がん患者の就労支援のみならず、 治療に伴う外見の変化、生殖機能の喪失などへの対策も求められている」としています。
例えば、がん治療によって脱毛が伴う方や乳房を切除される方がいますが、これらの方が外見の変化から感じる心理的負担を緩和するための取り組みもサバイバーシップ支援の一環です。
具体例を挙げると、港区では「港区がん患者ウィッグ等購入費助成金交付要綱」に基づいて、ウィッグ(かつら)や補整下着、シリコンパッド等の胸部補整具の購入費用に対する助成を行っています。又、同様の助成制度は横浜市、栃木市、大和市、湖南市、能代市、伊万里市、鳥取県、山形県にもあります。港区の助成金について調べると、これは助成対象者一人につき、最大3万円が支払われる仕組みで、平成29年度は男女合わせて87名の方が助成を受けたとのことでした。
一方、世田谷区。
平成29年3月の「健康せたがやプラン(第二次)後期」の中の施策に「がん患者や家族等への支援の充実」とあり、そこには「がん患者・経験者やその家族等の不安を和らげ、地域で自分らしい暮らしを続けることができるような取組みを広げていきます」と記されています。又「思春期・若年成人世代のがん患者に対する支援の検討」が新規事業となりました。
ところが、港区のような助成制度は用意されていません。
今回の一般質問では、前述のような世田谷区の考え方からしても、港区のような「サバイバーシップ支援制度」(助成制度など)を早期に導入すべきと訴えました。
区の答弁は「港区同様の助成制度の導入につきましては、国や近隣自治体等の動向等を見極めながら、効果等も含め検討を継続してまいります」というもの。
「世田谷区では、様子見」といったところでしょうか。大きな予算を必要とする事業ではありませんし、国や区の考え方にも沿った施策ですから、ぜひ我が区での検討が前向きに進み、制度導入へと結びつくことを要望します。
引き続き、区には働きかけていかなければ。
■質問の様子は以下の動画でご覧ください。
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