小池百合子VS自民党東京都連。戦いの行方は?「小池新党」の誕生も含めて注目です。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
参議院選挙が終わればすぐにやってくる東京都知事選挙。
首都東京の舵取りは、すなわち日本の舵取りにも大きく影響しますから、都民ならずとも関心をお持ちの方は多いでしょう。
それに都知事選挙は、「テレビで見る人」、いわゆる”著名人”がその座を射止めるのが常ですから。
政治的手腕が高くても、有名でなければ当選できないのが都知事選。
1995年、青島幸男さんが当選した選挙なんて典型例でしょう。
次点は事務方の内閣官房副長官を9年務めた石原信雄さんでした。
有権者は1,000万人超。
そして、たった一人だけが当選する選挙。
よって、特定の政党支持者からの偏った支持ではなく、無党派層も含めた幅広い支持を得ることが勝利の条件となります。
さて昨日、今月31日投開票の都知事選に立候補を表明したのが自民党衆議院の小池百合子氏。
有権者の目に彼女の姿はどう映っているのでしょうか。
自民党の都連(自由民主党東京都支部連合会のこと)が推す、増田寛也元総務大臣は未だ立候補するかどうか不明ですし、自民党に対する民進党も未だ候補を立てるに至っていないようです。
その最中「自民党の推薦が得られなくとも立候補する」と退路を絶ってチャレンジする姿勢を示した小池氏は、まずリーダーとしての力強さをアピールすることに成功したのではないでしょうか。
きっとこれから、ますます陰に陽に「自民党都連VS小池百合子」の戦いが激しさを増すでしょう。
小池氏は立候補表明の中で、早くも都議会自民党の対決姿勢を鮮明にしました。
簡単に言うと「都政発展の枷となっているのは都議会自民党だ」という表明。
東京都議会は現在123人の都議会議員で構成され、自民党56名は圧倒的多数。
公明党23名と手をつないで、都議会を意のままに動かす存在です。
まずはその改革が必要だという小池氏は、都知事選の公約を以下3つと発表しました。
1)(冒頭に)都議会を解散
2)様々な利権を追及するチームの創設
3)舛添要一前都知事の政治資金流用問題に関する第三者委員会の設置
2)と3)については、多くの都民の支持を得られるでしょう。省略。
1)については、既に様々な形で報道されていますが、都知事が自らの意思で都議会を解散することはできません。
知事には、議会に不信任案を可決された際の対抗手段としての解散が認められているのみです。
これは法律で決まっていることですから、小池氏にはどうしようもありません。
都民の意思(すなわち選挙)で選ばれた都知事に、選挙後いきなり議会が不信任案を突きつけるというメチャクチャなことは起きないと思うので、都議会の冒頭解散ということは先ず無いと考えてよいでしょう。
では、どうなるかというと。。。
小池氏が都知事に就任し、小池氏も対決スタンスを崩さないという仮定で、桃野の予想を以下に。
都議会議員の任期通りと考えても、都議会議員選挙は平成29年の7月、つまり1年後にやってきます。
それまで、都知事は議会(自・公)と激しく対立。
議会(自・公)は予算案を否決したり、修正したり、条例を否決したりと都知事の目指す都政運営をさせぬよう抵抗するでしょう。
都政は混乱(又は停滞)。
お互いの勢力はその原因を「都知事にある」「都議会にある」と世論に訴えます。
そして平成29年の7月の選挙の時点、でその対決はピークに。
都議選で、親知事派の議員が多く当選し、自公で過半数割れとなれば、知事よりの議会が誕生し都議会は大きく変わることに。
逆の結果になれば知事にとっては、ますます苦しい都政運営となる。
では、小池氏はその勝負に勝つために何をするべきでしょうか。
答えは「地域政党の立ち上げ」でしょう。
かつて橋下徹氏が大阪府知事、大阪市長となり改革を断行した際と同じ手法です。
議会と首長が対決して勝つには、これしかない。
首長(知事、市区町村長)は行政トップとしての機能、役割が、議会は選挙で選ばれた住民の代表としての機能、役割が法律で担保されていますから、お互いを無視することはできません。そういう仕組みになっています。
ですから、都知事が自らの意思を反映しながら都政運営をスムースに行おうとすれば、自らに考えの近い議員をたくさん誕生させるしか方法はないのです。
さて、小池氏は自民党東京都連を向こうに回し、都知事の座を掴むことができるのか。
そして、当選を果たしたとすれば、都議会との勝負に勝つことができるのか。
「小池新党」の誕生なるかも含めて大きな注目点です。
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