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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2016-03-31

待機児童、世田谷区は来年度も全国ワースト1へ。しかし、ここでもはっきり答えないですね区長は。区長記者会見より。

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世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
【保育園落ちた。日本死ね】でしたっけ。
待機児童問題について書かれたブログが国会での質問にも引用され、新聞やテレビでも大きく取り上げられました。
”働きたいけど働けない。そんな女性の本音が痛々しく伝わって来る”
“気持ちはわかるが、日本死ねという表現には賛同できない”
などの声と共と、待機児童問題がこれまでにも増してクローズアップされています。
さて、世田谷区。
これまでも何度もお知らせしてきましたが、世田谷区は待機児童全国ワースト1。
昨日(3/30)の区長記者会見でも、待機児童問題について触れられていましたし、記者から幾つか質問も飛んでいました。
「昨年4月1日時点の1,180人より幾分かは下回るのではないか」
これが記者会見での、待機児童数の見通しに対する区長の言葉。
確定数字は精査中ということですが、このレベルであれば、おそらく来年度も全国ワースト1でしょうね。
これまで我々の会派では

「”近隣からの騒音苦情に対応するためにマスクを付けられて園で過ごすサイレントキッズの姿”などと有りもしない話しで、立地周辺の住民の不安を煽るような、区長の情報発信はやめるべき」
「国有地の活用、区の既存施設からの転換などで、適地を出来る限り創出するべき」
「規制緩和など、民間事業者参入の後押しを」
などの政策提言を行なってきました。
こういった政策提言などに対して、区長が議会でもよく使うのが「保育の質の確保」という言葉。
いつもの区長の発言からは「”保育の質の確保”を優先する上で、待機児童が増えることはやむなし」の考え方のように聞こえます。
でも、この「保育の質」って何なんでしょう?

例えば昨日の記者会見で、区長はこう言っていました。

3月28日厚生労働大臣が記者会見で、保育定数を増やす為に、保育士の配置や子ども一人当たりの施設面積の基準を国の基準より一定程度厳しくしている(面積で言えば広くしている)自治体に規制緩和を求めて行く、と発言した。

世田谷区では0歳児1人あたりの面積基準は5.0㎡以上で、国基準の3.3㎡以上を上回る面積になっている。この基準を緩和すれば受け入れ可能児童数は増えると思うが、保育の質がキープできるのかということについて、しっかり見た上で検討する。
(引用以上)

文脈からすると「国基準にあわせていくことはしない。世田谷区は独自に厳しい基準を維持して行く」と言っているように聞こえますが、その真意を明言をしているわけではありません。
なので、記者からも質問が飛んでいました。
(記者)
「国基準3.3㎡に従うと、どれくらい定員が増えるか試算しているのか?」
(区長)
「どう計算するか、今やっている」
(記者)
「面積基準について、慎重に検討すると言っていたが、前向きに検討するのか」
「面積基準を5㎡にするのか、3.3㎡を維持するのか。それともその間の数字を出して行くのか?」

(区長)
「保育は子どもの命、成長を預かっている。しかも長時間過ごす。そう言った意味では、生まれてすぐの赤ちゃん、ハイハイをし、つかまり立ちをし、子どもが伸びて行く・・・(中略)・・・保育士の待遇が厳しい・・・・(中略)・・・・規制緩和だけでは世田谷区の待機児童解消は果たし得ない・・・(中略)・・・国の提言に対して了解できるか試算はさせているが、保育の質はないがしろにしてという気はございません。・・・(中略)・・・保育の質は守って行く。
2分間の長い“答弁”でしたが、具体的な話しになると、ほとんど答えません。
しかも効果やリスクについての試算もせず「保育の質」という曖昧模糊とした言葉一本で説明しようという姿勢。
何か釈然としませんね。

記者会見で区長と記者に、そんなやりとりがあって、本日の朝日新聞の記事が以下。
【3月31日:朝日新聞】
スキャン 2016-03-31 11_41-page3

煮え切らない答弁を映すような記事になっていますね。
『規制緩和だけでは待機児童は消えない」そんな当たり前のことしか答えないものだから・・・
記者の心の声が伝わってくるようです。
社民党出身の区長とは、おそらく相性が良いであろう朝日新聞の記者でさえも、これでは困ってしまう。
とにかく「やらなければならないこと」や「具体的な実行」ということになると、ほとんど答えない区長のいつもの姿勢、言動がここにも出ています。
やるなら「やる」、やらないなら「やらない」と答える、もしくはそれが言えない段階なら、方向性だけでも明確に述べる。
それが行政機関のトップ、区長として当然の姿勢だと思うのですが。

桃野は子どもを預けて働きたい方の意思をかなえる為には、国の基準を無視して世田谷区の基準にこだわり続けることは、決して良いとは思いません。
実際に、世田谷区内の保育定員のうち、約15%の方が、認証保育園(東京都の認証を受けている。即ち都の基準、3.3㎡の面積で運営されている)に入園していますが、それを「保育の質が守られていない」と感じている方は、多くはないでしょう。
区長は待機児童問題についても”木を見て森を見ず”です。
働きたい女性のためにも、独りよがりの考えは改めてもらいたい。

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