もしも子どもが、覚えられない、段取りが悪い、集中できない、すぐにキレる、疲れやすいなどだったら・・・
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
「高次脳機能障害」
事故や病気などで脳が損傷を受けたことによる後遺症で、記憶、注意、思考、行為、空間認知などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。
当然ながら、年代を問わず(大人も、子どもも)、こういった障害を負うことがあるのですが、成人が障害を負った場合、小児が負った場合、共通点もあり、又相違点もあり適切な対応が必須です。
今日は、帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科の中島恵子教授をはじめ、「小児高次脳機能障害」の問題に取り組む専門家の方々、高次脳機能障害の子どもを持つ家族会の方をお招きし、勉強会。
同じ会派の田中優子議員、区の各課の幹部職員らと共に様々なお話を聞かせていただき、又意見交換も致しました。
子どもの高次脳機能障害の特徴を挙げると・・・
■覚えられない
■段取りが悪い
■時間がかかる
■集中できない
■すぐにキレる
■疲れやすい
※脳損傷の程度により症状は異なる
※発達の段階や周りの環境(家庭・学校)により症状は変化する
高次脳機能障害は、健康だった子どもが病気や事故により以前と違った状態になるため、本人、保護者、兄弟姉妹、同級生、学校関係者は受け入れることが難しかったり、戸惑うことがあります。
又、障害による変化が性格によるものと誤解されたり、発達障害と混同されたりすることもあるので注意が必要。
そして、小さな子供が脳に機能障害を負った場合、それに気づかず長い時間を過ごしてしまうことがあるという現実も知っておかなければいけません。
例えば、3歳の子どもが転んで頭を強く打ったとします。
脳震盪で一時的に意識障害があったとしても、そこから回復すれば、また日常生活に戻っていくでしょう。
仮にその時点で脳機能障害を負っていて、「段取りが悪い」「集中できない」といった症状を呈していても、3歳の子どもからその変化を読み取ることは困難です。
やがて幼稚園や小学校に通う段階になり、高度な社会性が要求され始めると、そこでやっとその可能性に気づくということもあるでしょう。
さらに小児高次脳機能障害の可能性に気づかず、症状が似ている発達障害と判断されてしまうこともあるでしょう。
では、どういったことが必要か。
保護者、保育園や幼稚園、学校、医療機関が小児高次脳機能障害について理解をし、その可能性を頭に入れておくこと。
例えば、子どもが頭を打つなどした場合、医療機関でお医者さんから「将来、脳機能障害の症状を呈する可能性もあるので、知っておいてください」と一言伝えるだけでも一定の効果があるのではないか。
ある子どもを見たときに、幼稚園や保育園、学校の教職員が、これは発達障害「もしくは高次脳機能障害」かも、とその可能性に思いをいたすことができるように研修を受けておくことは効果があるのではないか。
など。
もちろん保護者、行政機関、医療機関が連携するシステムは不可欠です。
今日の勉強会は、まだ入り口部分にしか過ぎません。
障害のある子どもたちの生活を、また家族の生活を支えるために、区は何をするべきか、しっかり勉強し議会活動にも反映してまいります。
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