「ブラック化する保育(大川えみる著)」”保育”は女性や子どもをめぐる問題ではない。社会の縮図が透けて見える一冊。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
平成28年度の数字は以下。
1位:世田谷区…1198人
2位:江戸川区…397人
3位:板橋区…376人
ピンと来る方はいらっしゃいますでしょうか。
そう、これは待機児童の数です。
残念ながら、ワースト1は世田谷区の指定席。
他を圧倒的に引き離してのワースト1です。
区の待機児対策については、これまで不十分な点を指摘し、国有地、都有地の活用や保育ステーションの導入なども提言してきました。
(今は、行政も動き出しています)
ワースト1返上に向け、世田谷区には、まだまだ取り組むべき課題があるというのは事実。
しかし、待機児対策のみならず、保育をめぐる問題は一自治体で取り組むには限界もあります。
「子どもは社会の宝」という認識は、社会的なコンセンサス(みんなが頷く共通認識)になっていると思いますが、その反面で、保育業界の様々な課題が解消されない。
保育士の待遇改善しかり。
それはなぜなのか?
最近読んだ本から。この本は勉強になる。
「ブラック化する保育」 大川えみる著 かもがわ出版
本の販売を邪魔するわけにはいかないので、ネタバレしない範囲でしか書けませんが、現場に精通する著者が実際の事例をふんだんに紹介しながら、保育業界の問題を明らかにしていきます。
・マイルドヤンキー
・やりがい搾取
・感情労働
キーワードになっている言葉も「なるほど・・・」と頷けるものでした。
(著者自身も記していますが「業界の方からは批判もありそう。。。」という内容であることは付記しておきます)
保育をめぐる問題は、子どもや女性をめぐる問題にとどまる話ではない。
社会の縮図が透けて見える問題。
すべての国民が当事者意識を持たないと。
小さなお子さんをお持ちでない方にこそ、読んでほしい一冊です。
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