DV被害者、ストーカー被害者には、多角的な観点からの支援が必要。そして不合理な取り扱いは改善していかなければ。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者等への支援措置に関連して。
質疑の様子はこちらでご確認ください。8分19秒まで早送りすると本ブログ内容の部分になります。
先の区議会一般質問で、他会派の議員から「NHKが受信料滞納者に対して、受信料を取り立てる際、その滞納者の住民票を区から取得できる」ということについての質問がありました。
その一般質問でのやり取りを聞いて、確認しておかなければいけないと思い取り上げたのが今回の質疑。
これまで何度も議会で取り上げてきました、DV被害者への支援措置に関連しての問題意識です。
DVやストーカーの被害者が、加害者から逃れるために身を隠すことがあります。身を守るためにそうせざるを得ない場合があることは想像に難くありません。
その際、加害者や第三者に居処を知られないため、住民票などの情報が外に漏れないよう、区に対して住民票の取得などに慎重に対応してもらう措置があります。これが住民基本台帳法上の支援措置。
ところが仮にDV被害者が、暴力から逃れるために着のみ着のまま家を出た場合、NHKの受信料が滞納となったままで行方がわからなくなるという状況が生まれてしまいます。
その際、受信料を取り立てたいNHKは、今この滞納者がどこにいるかを調べるため区から住所情報を取得し、その居場所に取り立てに行くことができるという仕組みになっています。
桃野がそこで懸念するのは、NHKになりすまして住所を取得しようというDV 加害者もいるのでは無いかということ、又本当にNHKによる取得だとしてもそこから情報が外に漏れることは無いのかということ。
今回の質疑ではそう言った懸念を区に伝え質疑しました。
今回の答弁は「(住所情報の請求が)正当な請求かどうかはしっかりと確認している」という旨の素っ気無い答弁ではありましたが、引き続き、こうしたところが住所情報の漏れ口にならないよう区には求めていきたいと思います。
そして、今回の質疑では、戸籍謄本などの取得の際に、役所の窓口で取得する場合の手数料と多機能端末で取得する際の手数料についても取り上げました。
基本的に区民は役所の窓口だけでなく、コンビニエンスストアに設置されている多機能端末で戸籍謄本などを取れます。そして窓口での取得と多機能端末での取得を比べた場合、多機能端末の方が手数料が安価に設定されています。
かかる人件費の違いもあり、多機能端末での取得に区民を誘導するという趣旨もあるわけですが、DV被害者等で支援措置がかかっている場合、多機能端末で戸籍謄本などが取得できず、窓口での取得のみという仕組み。
これは、より慎重に、支援措置対象者の情報を守るための仕組みではあるのですが、ここで感じる矛盾は、被害者である立場の人間が安価な手数料の恩恵を受けることができない、被害者でありながら不利益を被るような仕組みになっているということ。
今回の質疑では、こうした仕組みの改善も求めています。
DV被害者、ストーカー被害者には、多角的な観点からの支援が必要だし、不合理な取り扱いは改善していかなければいけません。これからも取り組んで参ります。
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