足立区でも「DV被害者の住所をDV加害者の弁護士に開示」しかし世田谷区とは違い、非を認めて謝罪、転居の相談も。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
これまで取り組んできた「DV(ドメスティック・バイオレンス)等支援措置」の問題。
今朝の新聞で報道されていますが、足立区でも世田谷区のような問題が起きたようです。
【足立区 戸籍付票誤交付 DV被害者住所記載 元配偶者の弁護士に /東京】(毎日新聞)
【DV被害者の戸籍謄本を誤って交付 元配偶者の弁護士に】(京都新聞)
紙の方では、今朝(4/12)の東京新聞、22面でも記事になっていました。
上記の毎日新聞、東京新聞、京都新聞の記事によると事件の概要は以下。
・足立区は、2月1日、区民(Aさん)の「DV支援措置の申請」を受理、戸籍付票などの発行禁止措置を取った。
・翌日、Aさんの元配偶者の代理人から郵送で、申請人の戸籍の付票を求める請求書が届いた。
・本来なら手続きの途中で発行禁止を知らせるメッセージがパソコンの画面に表示されるが、区の担当者が何らかの理由で発行作業を継続。
・足立区が2月5日に戸籍謄本などを発行した。
・4月2日にAさんから「弁護士が戸籍謄本を持っているようだ」と連絡があり、誤交付が発覚。
・足立区はAさんに謝罪、「転居希望などの相談があれば検討したい」としている。
・足立区は、誤交付の原因を調査中。
・Aさんのところに元配偶者が押しかけるなどの二次被害は確認されていない。
DV等支援措置は、DV(ドメスティックバイオレンス、家庭内での配偶者間暴力など)やストーカー被害に苦しむ方々が、身の安全を守るために、加害者から隠れて暮らしている場合、その被害者の住所が加害者側に渡らないよう、役所が住民票の閲覧などに制限を加える制度。
(過去ブログ参照ください)
今回の事件は足立区で起きましたが、世田谷区では、この支援措置においてこれまで、被害者の住所を加害者に開示するというとんでもない事件を何度も起こしていて、それはまず大問題。
その他に、「加害者の弁護士(例えばDV夫の弁護士)が、被害者の住民票の閲覧(又は写しの交付)を請求してきた場合は閲覧させる(又は交付する)といった対応をしています。
世田谷区長いわく、「弁護士に、加害者には伝えないと約束してもらえば、OK」だと。
実際に世田谷区では「区役所が、DV被害者の住所を、DV加害者の弁護士に開示する」という事件が起き、桃野がその対応の誤りについて議会で取り上げるも区側は一貫して「開示は問題無い」との姿勢を貫いています。
でも、これが誤った対応だということは総務省の示す「住民基本台帳事務処理要領」からも明らか。
総務省の見解から大事なポイントを拾い上げると以下になります。
(住民基本台帳事務処理要領の原文等、詳細は過去ブログを参照ください)
・加害者の依頼を受けた弁護士からの申出については、加害者本人から請求がなされたとして、申出を拒否する(住民票の写し等を交付しない)
・厳格な審査を行い、加害者の依頼を受けた弁護士であることが判明した場合には、加害者本人から請求がなされたとして、申出を拒否する(住民票の写し等を交付しない)
・加害者の依頼を受けた弁護士からの申出であることが判明した場合には、加害者本人から請求がなされたとして、申出を拒否することとなるが、厳格な審査の結果、その請求に特別の必要があると認められる場合には、弁護士と協議の上、提出する機関へ直接交付する等、弁護士に直接交付せずに目的を達成することが望ましい。
今回の事件で、足立区が非を認めている通り、「DV加害者の依頼を受けた弁護士からの申し出」=「DV加害者からの申し出」なんです。
足立区は、今回大きな過ちを起こしましたが、区がその非を認めて謝罪、転居の相談にも応じるということですから、支援措置制度を全く理解できていない、自分達の非を認めず、DV被害者からの再三再四の嘆願をはねつけている世田谷区長(保坂展人区長)とは雲泥の差ではあります。
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以下写真2枚は、テレビ朝日のドキュメント番組、テレメンタリー、首都圏では2018年1月14日に放送された「握られた命運〜守られぬDV被害者〜」より
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