「熊本市議、議場に赤ちゃん」が議論を呼んでいますが「子連れで議会」の例、沢山あるんですね。授乳も。知らなかった!
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
昨日(22日)に開会した熊本市議会の定例会で、市議が生後7カ月の長男を抱いて議場に入場し、開会が40分遅れる混乱があったとのこと。
【熊本市議 議場に赤ちゃん「子育て女性も活躍できる場に」】(毎日新聞)
市議(女性)は、本会議が始まる午前10時前に長男を抱いて議場の自席に着席。熊本市議会では「議員や職員以外は傍聴人とみなす」という決まりになっていて、傍聴規則では「傍聴人は会議中に議場に入ることができない」と定めていることから、議長は市議に退場を促したとのこと。市議は聞き入れず別室で協議することに。その後、市議が長男を友人に預けることで合意し、本会議が予定より40分遅れて開会したという経緯のようです。
市議は「妊娠が判明した昨年から、乳児を連れての本会議出席や市議会への託児所設置を議会事務局に訴えてきたが、前向きな回答を得ることができず子連れでの入場に踏み切った」とも報道されていますので「現状に一石を投じる為の抗議」の意味だったのかもしれません。「議会のルールを守れ!」「議会での手続きを踏め!」「ただのパフォーマンスだ!」という批判が飛んでくるのは覚悟の上での行動だったのでしょう。
新聞だけでなく、ネット上でも賛否含めて様々な意見が飛び交っていますが、この「出来事」が大きく報道され、議論を巻き起こしていることで既に、市議の行動には意味があったと、私は思います。
ちなみに世田谷区議会ではどういう決まりになっているか調べると・・・
・熊本市議会の決まりとして報道されている「議員や職員以外は傍聴人とみなす」の文言は見当たりませんでした
・「傍聴人は会議中に議場に入ることができない」は世田谷区議会でも同様に「傍聴人は議場へ入ることができない」とありました。
世田谷区議会で、区議が「子連れで議場に入りたい」と申し出た場合は、議会運営委員会でその可否を協議することになるのだと思われます。もしも、事前の申し出がなく子連れで議場に入ったり、議会運営委員会での決定に従わずに子連れで議場に入った場合は、議長が「議事整理権」に基づいて判断を示すことになるでしょう。
議会では「先例の無いこと」が認められるまでには、”長〜い”時間がかかるものなので、もし世田谷区議会で同様のことが起きたら、やはり議長はそれを認めないのでは無いかな。あくまで桃野の予想ですが。
さて、今回の件で私が驚いたのは、これまでも「子連れで議会」という例はたくさんあるんだということ。「議場で授乳」という例もあるんですね。私の情報感度が低かったということかもしれませんが、こうした事例を寡聞にして初めて知りました。
【熊本市議会で赤ちゃん連れ議員の出席認められず…でも、世界にはこんなにいます】(ハフィントンポスト)
記事を読む限りは、いずれも”すんなりと”「子連れで議会」ということでなく、物議を醸した事例のようですが、中には「議員が娘を抱いて議事堂に入り、退席を求められた事件」があって以来、議会の規則が変わり、子連れでの出席が認められた例もあるそう。
世田谷区議会もそうですが、多くの議会では「子連れで議会に臨むこと」をこれまで想定していなかったのだろうし、議論も熱心には行われてこなったことが下敷きになっての「ルール」なのだと思います。議員や理事者(区長など行政側の人間)、事務局の職員、速記者などしか議場には入れないとした場合、今回のような「子連れで議会」の他にも、例えば「何かしらの障がいがあるなど、議決権を行使したり、議論をするために介助が必要な議員が誕生したとしたら、介助者は同席させなきゃいけないでしょう」とか。
これまで前提としていなかった事象が、社会の変化などによって生まれた場合、その変化に対しては速やかに対応するための議論が必要だと思います。「子連れで議会」も然り。その議員のケースバイケースで「一番良い方法」もそれぞれ違うのかもしれないし。
でも桃野は、例えば世田谷区議会で、議員が「子どもと一緒に議場に入りたい」ということがあったとして「子どもが一緒だと不都合なことってあるのかな」と考えると、あまりそんなことも無いような気がします。授乳やおむつ替えなど議場の外に出なきゃいけないこともあるかもしれないけど、通常、議員だってトイレなどで少し離席することもあるし。
幸いなことに、海外では「子連れで議会」の事例があるよう。そこで何か不都合って起きているのかしら?それが知りたい。
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