世田谷の「農」のある風景、この価値を先ず多くの区民の皆さんと共有し、それを守る機運を盛り上げたい
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
現在の世田谷は、歴史的に都市周辺に位置する食物の生産地として、その役割を担ってきた地域。そんな歴史的経緯から、区内には僅かながらも未だ農地が残っており、今でも大根、小松菜、白菜、ブルーベリーなど、多品種の野菜や果物が生産されています。
「農」のある風景も世田谷の魅力の一つ。世田谷区では、区民共生型農業の確立を目指して、農業振興・農地保全に関わる施策を積極的に展開してきました。
平成20年3月には「世田谷区産業ビジョン」が策定され、その中で「世田谷らしい都市農業の推進」、「区民とともに育む世田谷農業」についての方針が示されています。
そうしたビジョンを支える取り組みの一つと言えるでしょう。区内には、区民の皆さんが土に触れ、野菜づくりを楽しめる場として、21箇所のファミリー農園(平成29年3月時点)とファミリー農園よりも大規模な「砧クラインガルテン」が開設されています。
これら「区民農園」は、区民に対し、野菜作りを通じて土に親しむ機会を提供するとともに、農地の保全と緑地空間の確保にも貢献してきました。
ところが今般とても残念なニュースが・・・
上記の砧クラインガルデンが平成29年9月30日で閉園することとなってしまいました。
理油は「土地所有者に相続が発生し、土地の返還を求められたため」。これまでは世田谷区が土地を借りてクラインガルテンを運営してきましたが、今般、土地返還=閉園することとなりました。
区内農園の中で、規模、施設ともに別格の存在だっただけに非常に残念です。
近年、世田谷区内では、相続発生による土地の返還で農園が閉園する例が頻出しています。世田谷の貴重な「農」のある風景を守るためにも、緑地空間の減少を食い止めるためにも、これは区をあげて取り組まなければならない課題。
桃野は区民生活常任委員会で、「テーマとして地味ではあるかもしれないが、この問題に区長は真剣に向き合ってもらいたい」「税制(相続税の仕組み)の問題が大きい、区長会などから国に改善を要望するべき」などの意見を出しております。
世田谷の「農」のある風景、この価値を先ず多くの区民の皆さんと共有し、それを守る機運を盛り上げたいと思っています。
■砧クラインガルテンのログハウス(世田谷区ホームページより)
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