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世田谷区の桃太郎 桃野芳文Webサイトです
2022-05-11

元国会議員のグリーン券詐取に思う。なぜ国会議員にJR無料パスが与えられるのか。そして今回の事件で明らかになった問題とは。

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世田谷区議会議員、桃野芳文です。

「晩節を汚す」とはまさにこういうこと。元参議院議員の山下八洲夫容疑者(79)が、新幹線グリーン券を詐取したとして逮捕されました。

山下容疑者は1983年、日本社会党公認候補として衆議院選挙にて立候補、初当選をしています。その後は衆議院議員4期、参議院議員2期の実績。2010年には勲章、旭日重光章を受章しています(wikipedia参照)。

山下容疑者は2010年まで民主党の参院議員を務めていましたが、報道によると、国会議員用の無料パスを「落選後も継続的に使っていた」などと供述しているようです。10年以上不正を繰り返していた可能性が強いということですね。

現職の国会議員にはJR無料パス(国会議員用鉄道乗車証)が与えられ、さらに「国会議員指定席・寝台申込書」を提出すれば特急券やグリーン券も取得することができます。

グリーン車の利用については意見が分かれそうですが、国会議員が鉄道等の交通機関を、国会議員としての活動のために使う際、その費用を「活動費(=無料パス)」で賄うことには一定の合理性があるでしょう。例えば国会での議論に地元の有権者の声を生かすためには、東京、地元選挙区を新幹線などの特急電車を利用して頻繁に行き来することは認められて然るべきです。

我が国の仕組みは「お金持ちの人も、そうでない人も、選挙を経て国会議員に選ばれたからにはお金の心配をせず国民のために存分に働いてください」という考え方に基づいていますから、国会議員としての活動に使う交通費については無料パスで賄う、ということになったのでしょう。

一方、今回の事件で明らかになった問題は、

”議員を引退したり落選したりした場合は無料パスを返すルールになっているが、法に明確な規定がない”ということでしょう。(2022.05.11 東京新聞参照しました)

これでは「国会議員は浮世離れしている」と言われても仕方がないのではないでしょうか。

各国会議員に100万円/月も支給されていながら、その使途を明らかにする必要もない文書交通滞在費の問題と根っこは同じ。

国会議員の文書交通滞在費(100万円/月)、立法事務費(65万円/月)は領収書と共に使途を公開、余れば返還するのが当然では】(2021.11.16 桃野ブログ)

もらったものは自由に使っていい。どう使っているか明らかにする必要などない。議員ではない期間でも使える(文書交通滞在費はこれまで日割りの考え無し、余っても返還しない)。

文書交通滞在費の問題だけでなく、今回の無料パスの管理の問題もまずは透明性。無料パスは、他の交通系ICと同様に、利用データをアウトプットできるものに変えた方がいい。それを各自が公開する仕組みにすれば軽々に変な使い方ができないのでは。そして任期が終了すれば無料パスは確実に返還するルールに。

一事が万事です。国会議員が「自らに甘い」ルールを「世間では当然」のルールに変えることができるか。これは自らの代表を選んでいる立場の国民がしっかりと監視しなければなりません。

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