本来、区長と区議会は区政の両輪。ところが区長は議会を軽視して「好き勝手」という現実。
世田谷区議会議員、桃野芳文です。
区議会は、正常化に向かうのかな。良かった。このまま区長がおかしなことを続けていれば区民にとっては大迷惑な話。新型コロナウイルス対策に関する議案の審議も滞ってたようですし。
今朝の朝刊各紙で報道されていましたが、千代田区長が一方的に「区議会を解散する!」とした通知を撤回したようです。これまでの経緯については、こちらのブログを参照ください。
【区議会で疑惑を追及されて区長が区議会を解散?千代田区で今何が起きているのか】(2020.07.29 桃野ブログ)
【揺れる千代田区議会。選挙管理委員会は「区長の議会解散表明は無効」の判断】(2020.07.31 桃野ブログ)
そして今日のニュース。
千代田区長、解散通知を撤回 「区政停滞、深くおわび」https://t.co/aQbTW50MpS
7月末から続いた東京都千代田区議会の「解散騒動」が収束に向かいそうです。
区議会に解散通知を突きつけた石川区長が通知を撤回。
コロナ対策に関する議案の審議も、近く再開される見通しです。 pic.twitter.com/CiWs3YDqZZ— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) August 12, 2020
選挙管理委員会も裁判所も判断した通り、千代田区長の”解散通知”は法的には全く根拠のないもの。千代田区長の無理筋もいいところでした。
一方、これまで千代田区議会の全議員が解散通知の無効を求めて東京地裁に裁判を起こすという事態にまでなっていました。裁判になれば判決が出るまでに早くとも数ヶ月。その間、千代田区の民主主義が止まってしまうことを大変危惧していました。それもこのコロナ禍ですし。
今回、裁判所が、暫定的に(裁判の行方はさておき)解散処分の執行停止を認めたことが大きかったと思います。流石にこの状況で「あくまで議会は解散だ!俺は間違ってない!」と言い張るのは無理ですよね、常識的に。結果、区長は自ら解散通知を撤回。
各紙の新聞報道を見ていると、バランスをとるためでしょうか。「議会にも至らぬところがあった」という趣旨の文言を付け加えている記事もありましたが、桃野は本件、100%区長のやったことがおかしいと感じています。
区長の解散通知に至る経緯を見れば「マンション事業者からの利益供与疑惑を議会で追及されたこと」に対抗する手段だったことは明らかです。自身の潔白を唱えるなら堂々とどこにでも出てその旨を主張すればいいこと。破れかぶれの気持ちになって「議会よ消えてしまえ!」と呪文をかけることなど、一般常識を兼ね備えた大人の行動とは思えません。
区長と区議会。本来は車の(左右の)両輪となって区政を前に進めていくべき存在。それぞれが法に基づきその役割を与えられています。ところが区長というのはなぜかそうしたことを理解できない人、区議会の存在を軽視して「区政は自分が好き勝手にやっていいもの」と勘違いしている人、がいるようです。
これは残念ながら、千代田区に限った話ではありません。
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