子ども達を救え!とすると、狛江市が "宙ぶらりん" に!?。児童相談所「世田谷・狛江問題」をご存知でしょうか?。
世田谷区議会議員、桃野よしふみです。
児童虐待。
今年3月までの1年間に、全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数はおよそ10万3000件。初めて10万件を超え、これまでで最多となったことが、厚生労働省のまとめで分かりました。
参考:NHKニュース
厚生労働省は昨年7月から、虐待通告や子育ての悩みを受け付ける児童相談所の全国共通ダイヤル(3桁)「189(イチハヤク)」を導入し、その広報にも力を入れていますから、そういった施策が件数を押し上げたという面もあるでしょう。
増え続ける児童虐待。
児童虐待を未然に防いだり、起きた事件に迅速に対応するためには、児童相談所の体制強化は喫緊の課題でしょう。
我々の会派(F行革)は、世田谷区議会でこれまで強く訴えてきました。
まずは児童相談所の世田谷区での設置。
現在、東京都が管轄する児童相談所を基礎自治体である区に移管し、迅速な初期対応、きめ細かい支援を行うべきだと政策提言をしてきました。(当然、財源や人材の問題もクリアしないといけませんが)
そして、ようやくその可能性に道筋をつけるのが来年4月施行の改正児童福祉法。
希望する特別区は、政令による指定を受けて児童相談所を設置できるようになります。
これ自体は良いことなのですが、さて、そこで世田谷区に立ちふさがる懸案の一つが「世田谷・狛江問題」。
現在の「世田谷児童相談所」(都の施設です)は、世田谷区(人口90万人)と狛江市(同8万人)を対象エリアとしています。では、これを世田谷区に移管するとどうなるでしょう。
「法改正の中でも児童相談所を設置できるのが特別区となっていますので、あくまで移管を受けてやるのは特別区、世田谷区ということで、いかに狛江市と切り分けていくかという課題になると思っています」
(平成28年5月福祉保健委員会における世田谷区の子ども部部長の答弁)
というのが世田谷区役所の認識。
世田谷児童相談所を東京都から世田谷区に移管すると、狛江市が宙ぶらりんになってしまうんですね。だから、これをどうやって解決するか、早急に狛江市とつめた話をしないといけない。
区は「法改正後、区は区民に身近な基礎自治体として一元的、総合的に児童相談行政を担うために、速やかに移管に向けた準備を始めてまいります」(前出の委員会、子ども家庭課課長の発言)としながらも、狛江市とは何の話し合いも行っていないというのが実状です。
児童虐待をなくすため。
児童相談所を区に移管して、きめ細かい支援を進めていく。
そのためには、人材確保も含めて、速やかに動き出さなければなりません。
先日の新聞(8/6読売)に掲載されていましたが、世田谷区は読売新聞社のアンケート調査に対して「5年以内に児童相談所を設置する」と明言しているよう。その目標があるなら尚更、具体的に行動を起こさななければなりません。
桃野は引き続き、議会から提言を続けてまいります。
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